行政事件とは

 
-ある日,突然住宅地の真ん中に産業廃棄物処理場の建設許可が下りてしまった-
 
-行政機関が必要な情報を開示してくれない-
 
-何の不正行為もしていないのに,突然行政処分を受けてしまった-
 
 行政とトラブルになることはない,そう思っていませんか?
 
 たしかに,私人間のトラブルと比べ,行政とのトラブルのご相談は多くはありません。
 
 ですが,突然隣に産業廃棄物処理場が建設されることになったり,突然行政処分を受けてしまったりすることなどは,どんな方にも起こりうることです。
 
 行政の不正,横暴に対し,善良な市民が泣き寝入りすることの無いよう,当事務所は伝統的に,行政事件に対して積極的に取り組んでまいりました。
 
 行政とのトラブルでお悩みの方は,是非一度当事務所までご連絡下さい。

費用

 
 
 集団訴訟の場合は,原告団との間で費用・報酬に関する協定を締結します。
 
 住民運動として取り組む事件の場合は,運動する皆さんの実情に応じて,
 ご相談のうえ取り決め致します。
 
 個人で依頼される場合は,
  着手金 事件の難しさに応じて 30万円から100万円程度
 報酬金 解決の結果に応じて,着手金と同程度から倍程度の範囲
 
 なお,住民訴訟で勝訴した場合は,事件簿で紹介したように,
 報酬金が地方自治体から支払われる場合があります。
 

 
 

翔の事件簿


霞ヶ浦導水事業差止め請求提訴

 
霞ヶ浦導水事業差止め請求提訴 2009年3月3日、那珂川流域に漁業権を持つ茨城、栃木の漁業組合が原告となり、国交省が霞ヶ浦導水事業の一環として計画している那珂川の取水口建設の差止めを求める訴訟を、水戸地方裁判所に提起しました。
 
 那珂川の取水口建設差止めについては、既に、昨年、仮処分の申立を行い、水戸地裁で審理が進んでいるところですが、今回、その本案訴訟を提起したものです。
求める内容は仮処分と同じですが、本訴には、仮処分では当事者となっていなかった大涸沼漁協が新たに加わってくれました。
 
 私たちが導水事業の差止めを求めている理由は、取水口の建設により、アユ等の魚類が吸い込みや迷入の危険にさらされることや取水による那珂川の水量減少による下流域の環境の変化によってアユ、サケ、シジミなどの漁業資源に回復し難い損害を与える危険性があるということです。また、那珂川の渇水期に霞ヶ浦から導水されることにより、霞ヶ浦からの外来魚の侵入による那珂川の生態系の破壊や那珂川の水の汚染も懸念されるところです。
 
 霞ヶ浦導水事業が計画されて既に20年以上経過し、事業そのものの必要性が問われているところです。大きな目的の一つとなっている霞ヶ浦の浄化についても、富栄養化物質である窒素やリンの流入により、浄化どころか、かえって水質は悪化するとの指摘もなされています。
 
 「自分たちの役割は、那珂川の貴重な自然を孫子の代に残すこと」と宣言し、漁業補償の話を一蹴してたたかいに立ち上がっている那珂川流域の漁協の皆さまとともに、私たち弁護団も、那珂川を守るために全力を尽くしたいと決意しています。皆さまのご支援をよろしくお願いします。
 
(弁護士 安江 祐)
 

八ッ場ダム住民訴訟


八ッ場ダム住民訴訟の展開八ッ場ダム住民訴訟の展開

 2009年6月30日には、群馬県に建設が予定されている八ッ場(やんば)ダムに対する茨城県の公金支出差止めを求める住民訴訟について、住民側敗訴の判決が出ました。判決は国交省の主張を引き写した茨城県の主張を鵜呑みにして、水余りなのに事業の必要があるとしています。住民は東京高裁へ控訴しました。
 
-今後東京高裁でのたたかいが続けられます。ご支援をお願いいたします。-

(弁護士 五來則男)
 
 
 
特別対談(弁護士谷萩陽一vs嶋津暉之)
 
弁護士谷萩陽一 (谷) 当事務所でも差止めの住民訴訟に取り組んできた八ッ場ダムが、前原国土交通大臣の「中止」表明により注目を集めています。この問題に長年取り組み、裁判でも意見書や証言などでご活躍されている、嶋津暉之さんにうかがいました。
八ッ場ダムは多目的ダムと言われ、治水(洪水防止)や利水(水道水等の供給)に利用するといわれています。治水効果はあるのでしょか。
 
 

(嶋) 八ッ場ダムの治水効果は小さなもので、利根川の治水対策として意味を持ちません。最近50年間で最大の洪水である1998年9月洪水について八ッ場ダムがあった場合の治水効果を試算しますと、最大で見ても、利根川の治水基準点「八斗島」(群馬県伊勢崎市)で水位を13cm下げるだけで、そのときの最高水位は堤防の天端から4m以上も下にありましたから、八ッ場ダムがあっても利根川の治水対策として何の意味もありませんでした。利根川は大きな洪水に対応できる河川改修がほとんど終わっており、氾濫の心配はなくなっています。今必要なのは堤防の強化工事ですが、八ッ場ダムに巨額の河川予算が注ぎ込まれているために、なおざりにされています。
 
(谷) では,利水にとって必要なのでしょうか。特に,茨城についてはいかがですか。
 
嶋津輝之(嶋) 首都圏の水道用水の需要は1990年代後半から節水型機器の普及などにより、減少傾向になり、一方で、利根川・荒川でダム建設等の水源開発が数多く行われてきたことによって各都県とも沢山の余裕水源が抱え、水余りの時代になっています。茨城県も霞ヶ浦開発事業で未使用の水源が大量にありますので、それを有効に使えば、八ッ場ダムなどの新たな水源はまったく必要ありません。 
(谷) その他,ダム建設の予定地の地盤が弱い,地すべりの危険がある,また,美しい渓谷美が失われるといった問題については,裁判でも立証してきました。日本一の建設費は,今後も膨らんでいくことは必至です。ところが,ここにきて中止反対という動きも活発です。確かに地元の人たちは国にふりまわされた被害者という面はあると思います。地元へはどのような対策が必要だと思われますか。
 
(嶋) 八ッ場ダムの中止に対して、ダム予定地から強い反発の声が上がっています。予定地では多くの人が代替地への移転、補償金など、ダムを前提として生活設計を立てており、ダムの中止はその生活設計を白紙に戻し、地元の人たちを苦境に追い込んでしまいますから、反発の声が出るのは当然かもしれません。八ッ場ダムの中止に当たっては生活を再建し、地域を再生させるため、最大限の取り組みがされなければなりません。それは、不要なダム計画の推進で地元を半世紀以上も苦しめてきた国と群馬県、さらに、ダム計画を後押ししてきた下流都県の責任の下に行われるべきものだと思います。
(谷) 茨城も含め敗訴判決が3つ出ていますが,高裁でのとりくみと合わせ,世論の力で建設中止に追い込みたいものです。ありがとうございました。
 
 

鹿嶋市 し尿処理施設談合事件の画期的判決

 
 2006年に完成した鹿嶋市のし尿処理施設について、入札の際に談合があったとして不当に水増しされた工事費を業者(クボタ)に請求せよと、鹿嶋市長に命じる判決が2008年5月13日水戸地裁で出されました。これは、市民オンブズマンの方が住民訴訟として提起していたものです。
 
 クボタを含む業者10数社は、全国の地方自治体が発注する汚泥・し尿処理施設について40件の入札談合を行ってきました。その内、8件については刑事事件になり、クボタを含めた業者らは大阪地裁で罰金刑を受けました(クボタは罰金2億2000万円)。本件し尿処理施設は、刑事事件の対象になっていませんが、各社の談合担当者が本件施設でも談合があったことを認めていることなどから、水戸地裁でも談合を認めたものです。
 
 その上で、談合があったことによって、談合がなかったならばもっと低額になっていた適正価格と現実の取引価格との差額分が鹿嶋市の受けた損害額になるとして、具体的には契約金額約17億円の10%である1億7700万円を損害額と認定してクボタに請求するように命じたものです。
 
 この判決は、談合の対象になった施設の内、刑事事件の対象となった施設以外で、初めて返還請求をするように命じた判決です。鹿嶋市は、この判決を受けてクボタに請求をしたのですが、クボタは拒否をしました。裁判中、鹿嶋市は訴訟告知といってクボタに重要な関わりのある裁判を行っているから裁判に参加するかどうか判断してほしいと通知しましたが、クボタは参加しませんでした。訴訟告知を受けた者がその裁判に参加しなかった場合、重要争点(クボタが他社と談合をして入札したかどうか)について後で争えなくなるというのが訴訟告知の制度です。それから言えば、クボタは訴訟告知を受けても参加しなかったのですから後になって支払を拒否するのは不当と言わざるを得ません。
 
 また、前述の談合があったとされた40件には、竜ヶ崎地方衛生組合(竜ヶ崎、取手など8市町村)や湖北環境衛生組合(土浦、石岡など4市で組織)がそれぞれ発注した汚泥再処理センターも含まれていました。水戸地裁の判決を受けて、それらの組合も損害額を業者に請求する予定でいます。
 
 このようにこの裁判は行政を監視して税金の無駄遣いを防ぐという住民訴訟の本来の役割を果たすことになったものであり、大きな意義があったということができます。
 
(弁護士 五來則男)
 
 

東日本石炭じん肺国賠訴訟 全員和解成立!

 
東日本石炭じん肺国賠訴訟 2006年4月12日に提訴した、東日本石炭じん肺国賠訴訟は、2008年7月までに提訴した全員について和解が成立、追加して提訴した1名も、同年10月に和解が成立して、すべて終了しました。原告数は総勢107名、患者単位で55名でした。皆さんのご支援に感謝します。
 
 昭和30年代、40年代、炭鉱夫として一線で活躍した皆さんも高齢化していますが、水戸や東京の行動に病苦を押して参加するなど、じん肺根絶をめざす運動にも積極的に参加しました。本当にご苦労さまでした。
 
 個人的には、私が弁護士になった1983年に常磐炭鉱の炭鉱夫であった井田春雄さんの事件の弁護団に加入して以来、井田じん肺訴訟、常磐じん肺訴訟、常磐炭田北茨城じん肺訴訟、常磐炭田じん肺集団検診運動など、ずっと関わってきた常磐炭田の炭鉱夫じん肺問題に、一つの大きな区切りがついたという気持ちです。あっという間の25年間でした。
 
東日本石炭じん肺国賠訴訟 これからも、じん肺だけでなく、働くことで命や健康を奪われることのない社会の実現をめざして、努力したいと思っています。
 
 
(弁護士 安江 祐)
 
 
 
 
 
 

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