建築紛争

 
 建築紛争事件とは,いわゆる欠陥住宅に起因する住宅建設業者・住宅販売業者と,マンションや一戸建住宅等の住宅を購入した者との間のトラブルを指します。
 
 住宅購入については,建築業者と請負契約を締結して購入する場合と,建売住宅や分譲物件を売買によって購入する場合とがありますが,購入した物件に瑕疵("カシ"と読み,通常の用途もしくは契約上特定された用途に適しないキズ,不具合などのことであります。)がある場合,各契約の態様によって,法的な効果が異なっています。
 
 建築紛争事件は,適切な解決のためには建築関係についての専門的知見が必須となります。当事務所では,一級建築士とも協力関係にあり,これまでにも多くの建築紛争事件を解決してきました。
 
 住居は,私たちの生活の基礎であり,人生の一大事です。大切な住居の問題でお悩みでしたら,是非一度当事務所までご連絡下さい。

費用

 
 
  1. 事前調査費用

    20~30万円(但し,建築士謝礼は含みません)

  2. 瑕疵修補ないし賠償請求交渉

    着手金 瑕疵修補費用ないし賠償請求額の5%程度

    報 酬 同額の10%程度

  3. 損害賠償請求訴訟

    着手金 請求額の5%程度(但し,交渉前置事案は3%程度)

    報 酬 10~15%程度

 


 
 

翔の事件簿

 

日照の阻害について

 
Q1 隣の敷地に高い建物が建つという話を聞きましたが、私の家がその建物により日影になりそうで心配です。建築主側とどのように話し合えばよいのでしょうか?日照権は守られないのでしょうか?
 
A1 まず、建築主側に日影図の提出を求め、計画されている建物により、あなたの家が1日のうち、どのくらいの時間日影になるかを知ることが大切です。その後、日照阻害の実状を建築主側に伝え、何か改善する方法はないか、両者でよく話し合ってみてください。日影による影響を少なくする方法としては、建物の高さを低く抑える、建物の配置を南側に寄せることのほか、建物の東西方向の幅を狭くする、屋根形状又は外壁・バルコニー形状の工夫によっても改善されることがあります。
 
 なお、「日照権」については、法律上では明文化されていませんが、民事訴訟等により、日照阻害の程度が社会生活を営むうえで受忍限度を著しく超えていると認められる時に保護される場合があります。個々のケースにより異なりますが、判例では、日影規制の適合性、日照阻害の程度、地域性、損害回避の可能性などを基に判断されるようです。
 
 

プライバシーの侵害について

 
Q2 隣の敷地に高い建物が建つという話を聞きましたが、私の家の部屋がその建物側から覗かれそうで、防犯の面でも不安です。プライバシーを保護するため、建築主側に対して何を要望できますか?
 
A2 住民側と建築主側で話し合われた結果、廊下の開放性を保ちながらも、廊下を歩く人の視線を遮るために目隠し板を設置した例があります。また、お互いのプライバシーを適度に保ちながら快適な生活を営むためには、建築主側に計画建物の工夫を求めるばかりでなく、あなたの住宅においてもカーテンやブラインドを設置するなど、状況に応じて双方がよく話し合い、知恵を絞って歩み寄ることも大切です。
 
 

工事中の騒音・振動について

 
Q3 近所に高い建物を建てるというので、建築主側の関係者の方が挨拶に来られました。工事中の騒音が気になるし、振動で私の家の壁がひび割れたり、家が傾いたりしないか心配です。どのように建設業者と話し合えばよいでしょうか?
 
A3 工事の規模や周辺の状況等により騒音・振動の影響が発生すると考えられる場合は、建築主側と作業方法や作業時間、工事車両の通行経路等について話し合い、その内容を記した「工事協定書」を交わすのが一般的です。その中で、必要に応じて、施工に伴い家屋等に被害が生じた場合の対応について取り決めておくとよいでしょう。
 
 

電波障害について

 
Q4 近所に高い建物が建つということで、テレビの映りが悪くなるのではないか心配です。建築主側に、どのように要望すればよいのでしょうか?
 
A4 障害が発生するか否かは計画段階である程度予測できますので、少しでも不安があるようでしたら、建築主側に障害の予測調査の実施を求めましょう。その結果、障害が発生すると予測された場合は、建築後に障害が発生した場合の対策について、建築主側と話し合っておくことが大切です。対策の方法としては、高層建物の屋上に共同受信アンテナを設置し、障害を受ける建物までケーブルで接続する方法(共同受信施設による方法)や、民間ケーブルテレビ(CATV)を利用する方法があります。また、テレビ電波受信障害の対策は、原因者となった建築主側の負担により行われるのが一般的です。
 
 

景観・眺望阻害について

 
Q5 隣の敷地に高い建物が建つそうです。せっかく今までは、窓を開けると見晴らしのよい景色を見ることができたのに、今後はその景色を見ることができません。このような場合、眺望権の侵害に当たるのではないでしょうか?
 
A5 新たな建物の建築によって、今まで見ることのできた景色が見られなくなったといって、直ちにそれが眺望権の侵害にあたるわけではありません。景勝地などのように、その眺望が特別の価値を持つと民事訴訟等により認められた場合に、眺望を阻害されたと言えるのが一般的です。一方、お隣の所有者にとって、その土地を有効に活用する権利があることも事実です。このようなことから、建物の配置や形状の工夫などにより少しでも影響を抑える方法がないか、建築主側とよく話し合ってみてください。
 
 

風害について

 
Q6 近所に高い建物が建つそうですが、高い建物の近くでは「ビル風」という強い風が吹き、周辺の建物に被害をもたらすということを聞きました。この風害への対策はないのでしょうか?
 
A6 風害の事前調査として、コンピューターを使ったシミュレーション(模擬試験)や、模型を作成しての風洞実験により風速を想定する方法があります。そこで、もし風害の不安があるようでしたら、建築主側にこの調査の実施と、調査結果の提出を求めてみてください。ただし、実際の風の動きは、風向や土地の形状などの様々な要因が複雑に作用して変化し、正確な想定が難しいことから、実際に風害が発生した場合には、何が原因かをよく調べ、双方が誠意を持って話し合うことが大切です。
 
 

圧迫感について

 
Q7 隣の敷地に高い建物が建つという話を聞きました。私の家は2階建ですので、高い建物が完成すると、かなりの圧迫感を感じそうです。建物を建築する際に、隣の土地から何メートル離さなければいけないというような制限はないのでしょうか?
 
A7 建築基準法では、建物の外壁を隣地境界線から一定の距離だけ離すというような規定がありません。また、防火地域又は準防火地域内にある建物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができると規定しています(建築基準法第65条)。
 
 一方、民法では、建物を建てる場合には隣地境界線より50cm以上離さなければならないと規定しています(民法第234条)が、これも地域にこの規定と異なる慣習のある場合は、その慣習によることになっています(民法第236条)。そこで、隣に建つ建物により圧迫感を感じるようであれば、建物の配置や平面形状の工夫により圧迫感を少しでも和らげる方法がないか、少しでも歩み寄れる事項がないかを建築主側との話し合いの中から見つけてください。
 
 

近隣の同意と建築確認について

 
Q8 先日建設業者から、隣の敷地に高い建物を建てるという説明を受けました。私としては、建物の階数を下げてもらいたいし、私の家から離して建ててもらいたいと思っているので、正直この計画には同意できません。近所の同意がなくても、建物の建築は可能なのでしょうか?
 
A8 建物を建築する際は、建築基準法をはじめとする様々な法令により制限を受けますが、いずれの場合においても、近隣の同意を義務付けたものはありません。このため、近隣の同意がなくても法的要件に適合すれば、建築主事等は「建築確認」の処分をしなければならず、結果として建築が可能となりますが、近隣の方々にとっては、たとえ建物が法的要件に適合しているといっても、様々な点で不安があるものです。この場合、基本的には民事上の問題になりますので、当事者間の話し合いにより解決することになります。
 
 

水戸翔合同法律事務所 Copyright©Mito Habataki Law Office. All Rights Reserved.