全隈産廃処分場建設差し止め訴訟


生命の水は守られた!
全隈産廃処分場建設差止め訴訟勝訴確定


全隈産廃処分場建設差し止め訴訟 2008年5月27日、最高裁第三小法廷は、赤塚設備の上告受理申立に対し、上告を受理しない旨の決定を全員一致で行い、全隈の処分場の建設差止めを認めた一、二審の判断が確定しました。

 1995年5月に本件処分場の計画が判明し反対運動が開始されてから、実に13年の闘いの末に勝ち取った最終的な勝利です。

 この事件は、処分場から漏出する汚染水が田野川から那珂川に流入し、枝内取水場から取水されて水戸市全域に供給される水道水を汚染する危険性があることから、「生命の水を守れ」をスローガンとして反対運動が取り組まれたのでした。それまで、井戸水の汚染の危険性を理由に安定型処分場の建設差止めを認めたケースはありましたが、水道水の汚染を理由に差止めを認めた事例は私の知る限りではなく、1998年4月に建設差止めの仮処分を申し立てたときも、率直に言って、なかなか厳しい裁判だと思っていました。

全隈産廃処分場建設差し止め訴訟
 しかし、水戸市民をはじめとした多くの人たちの声が裁判所も動かし、仮処分でも、その後提起した本訴でも、連続して勝利することができたのです。しかも、高裁判決では、水源地に処分場を建設する際の法整備の必要性にまで踏み込んだ判断を示しました。これも「生命の水」を守りたいという皆さんの真摯な想いに裁判所が応えてくれた結果だと思います。

 また、もう一つの闘い、共有林訴訟も、本訴に先立って第一審で勝利判決を勝ち取りましたが、残念ながら高裁で不当な逆転敗訴判決を受けてしまいました。それでも、地元で生活する5名の原告が裁判に立ち上がった姿は、反対運動を大きく励まし、最後の勝利を勝ち取る一つの原動力となりました。

 
全隈産廃処分場建設差し止め訴訟 豊かな自然環境を後世に残すために、これからも頑張りましょう。











(弁護士 安江 祐)

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