事務所便り


2015/03/13

東海第二原発訴訟第9回裁判 傍聴記

固定リンク | by:水戸翔
【東海第二原発訴訟第9回裁判 傍聴記】
3月12日、9回目となる裁判が行われました。今回も傍聴席に座ることができましたので、その様子をご報告させていただきます。

今回は、まず原告代理人の大橋弁護士より準備書面「ふるさと喪失の実態~飯舘村の現状」を陳述しました。震災から4年が経過したが、その間に失われたものとは何か?
何代にもわたって引き継がれてきた土地の喪失、除染によって失われた景観の喪失、集落や相互扶助のようなコミュニティの喪失、いずれも金銭で変えられるようなものではないことを弁論しました。

次に、子どもの被害論として、原告の加藤由紀子さんが震災後の経験を陳述しました。震災後の情報の錯綜で、親として最良の判断ができなかったこと、自然に触れながら子育てをしてきたが震災以降はそれがかなわなくなってしまったこと、子どもの未来のために最良の選択を、今大人が責任を持ってしなければならない、と強く訴えました。

今回の裁判で、原告からの求釈明に対し、被告日本原電が提出したプラントデータの回答につき、提出されたものはグラフでなく単にPDFの一覧表を提出したもので、情報がプロテクトされておりグラフ化ができず、グラフ化するにはエクセルデータが必要であり改めてデータの提出を求めましたが、被告日本原電代理人は今回提出したもので事足りるとして、これ以上のデータの開示を拒否しました。

また、被告日本原電の回答には、(指示計の表示に)電源が必要と書いてあるにも関わらず、結論では電源がいらないとなっているなどの矛盾を指摘しました。電源喪失時にも指示計に表示が出ており、データが残っていないけれども確認は随時されていたのだから問題はない、というのが原電の主張のようです。この点については、次回詳しく追求する予定のとのことです。

次回期日は、6月11日午後2時30分からとなります。(事務局H)


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