日製事件が全面勝利解決へ


日製事件
 日立製作所及びその関連会社日立エンジニアリングサービスと日立工機の労働者が組合活動を理由にしてなされた賃金・昇格差別の是正を求めて茨城地方労働委員会に申し立てていた事件は,日立製作所本体は2000年9月12日,関連会社は同年10月31日,それぞれ「和解協定書」を調印してすべての争議を一括して解決しました。

 その和解の主な内容は,

  1. 双方は,全ての争議を一括して全面的に解決する。
  2. 会社は,2001年8月21日をもって(関連会社は2001年1月から)賃金及び職群等級を改定する。
  3. 会社は,解決金を支払う。
   というもので,内容的には全面勝利といえるものでした。

 特にこの和解にあたって注目すべきなのは,まず,たった一度の残業を拒否したことで解雇された田中秀幸氏の解雇争議,日立中央研究所,日立東京,日立愛知,日立男女差別という提訴時期や地域,課題の違う各争議と一括して解決されたことです。

 第二は,提訴や申立をしていませんが,会社に対して差別是正を求めていた労働者も対象者に入ったことです。

 このような成果が得られたのは,労働者に対する会社の理不尽な行動を許さないという信念をもった争議団の皆さんとそれに連帯する各支援者の方々の闘いが会社を追い込んだことによるものです。

 今まで中央研究所(1996年),東京(1997年),愛知(1998年)の各事件で,差別是正を命じる救済命令が勝ち取られ,茨城においても労働委員会で命令が出せるところまで労働者側が十分に立証を積み重ねた状況にありました。

 1999年3月には日立争議支援中央連絡会が結成され,全都道府県一斉宣伝・要請行動や日立本社包囲デモなど多彩な闘いが行われてきました。

 このような実績を背景にしてこの勝利和解となったものです。

 現在,企業内では経営理念の軽視,リストラの名目での企業再編を背景として,労働者の雇用をはじめ各権利が脅かされています。そのような中で,この勝利和解は,労働者の権利を守ろうと闘っている各地の労働者を力づけるものとなりました。

(弁護士 五來則男)

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